長くて辛い転職活動を終えたら、待っているのは今働いている会社に「退職」の意思表示をすること。
僕の場合、グループ会社へ出向していたので、メールで出向元の上司に退職することを伝えました。
正直に言います。退職するメールを書いてから、送信ボタンをおすのに2時間かかりました。長年働いてきた会社を退職するので、「本当にこれでいいのか?」と何度も考えましたよ。
退職理由についてネットやマニュアル本で、円満退職のためキャリアアップや新しいことに挑戦したいとかポジティブな理由を伝えるべきという意見があります。しかし、それは退職する会社や残された同僚のためになりません。むしろ完全に誤った行動だと思います。
退職者が去って行く会社に最も貢献できることは、経営幹部が認識していない、または認識していても放置している会社が抱える問題をズバリ伝えることです。もちろん社長に直接伝えることはないでしょうが、直属の上司には勇気を持って伝えるべきです。
通常、退職の意思を直属の上長に伝えると、上長面談が設定されます。僕の場合は、本社の課長2人との面談でした。
僕の勤務していた会社は、会社の業績は長期低迷、社員を社外で常時働かせる業務形態で、将来が全く見通せないため毎年中堅社員が1割弱退職してゆきます。その一方、幹部は親会社の天下りのため、問題のもみ消し・賃金削減に精一杯でした。社員は幹部のご機嫌を損なうと会社で冷遇されるため、誰も本当のことを言えません。
僕は、退職面談で本当の退職理由を伝えました。
・10年以上会社の業績は低迷しており、今後成長してゆくことはないと思っている
・親会社の下請け業務しか仕事がなく、収益性は極めて低い
・これ以上働いても仕事の幅、給料水準は向上しない
・サービス残業が横行しているにも関わらず、人事部が正面から問題解決に取り組まない
・社外で働いている社員が多いにもかかわらず、人事部が誤った情報を流し社員を困らせている
・退職者の多くは同じ悩みを抱えて去って行った
1人の上司はヘラヘラ笑っていましたが、もう1人の上司は同じ問題を認識していたようで真剣に聞いてくれました。
これでどこまで会社の悪しき企業文化が改善するかは全くわかりません。いや、変わらない可能性の方が圧倒的に高いでしょう。
それでも円満退職とうい空想論を振りかざすのではなく、残された同僚が発言できない本当の思いを、退職者が冷静に会社幹部へ伝えることが使命と思っています。
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